先日、某コンビニのゲイシャを飲んだことを書きました。
コンビニのゲイシャを飲んでみた。コーヒー屋が伝えるコーヒーの楽しみ方。
1杯500円。ニクイです。うちではそんな金額では出せません。
しかしながら、コンビニでなくても1杯100円で飲めるコーヒーって巷では結構ありますよね。マックやイオン、オリジン弁当などなどのチェーン店。
もちろんドリップするのが機械とかってのはあると思います。
それにしたってなんでこんなに安いの?個人店などのコーヒー屋との違いってなんだろう?ってことを考えていきます。
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コーヒー1杯における原価の違い
これがまずダントツで大手には敵いません。
大手さんはまずコーヒー生豆を取引する量が桁違いで違います。チェーン店が多ければ多いほど、その分のコーヒー豆が必要なわけです。
コーヒー豆原産国は発展途上国が多いため、国の情勢悪化などでもコーヒー豆が輸出されなくなることもあります。となると、市場に出回っているもの、商社さんなどがストックしたものから買うという手段になるので価格は高騰、そしてその限られた中で取り合いとなります。
天災や環境により生産量が激減すると当然「ある」豆が少なくなるのでこれまた価格高騰、取り合いになります。
コーヒー豆の価格の変動はおそらく皆さんが思っている以上に変動(たいていは値上がる)するんです。
実際、今はインドネシアのマンデリンというお豆が現在市場で品薄になっており、価格が上昇しています。コーヒー屋が知る情報だと収穫量が少なかったということと、某大手コーヒーチェーンさんが買い占めてしまったということです。
確かにそのコーヒー屋さん、オリジナル商品にマンデリン(とは謳ってませんが)あるんですね。
日本国内各県にもあり海外にもあるコーヒー屋さんなだけに、その量は莫大でしょう。
そういった莫大な量を取引するわけですから、当然少量買うところよりも単価は安くなります。売る側の心理としても、どれくらい売れるか分からないよりも大量に確実に買ってくれるところの方が安心しますよね。
次に考えられるのが、コーヒー豆の品質を下げて価格を抑える、ということです。
一般的に「コーヒー豆」といっても、大きく4つに分類されます。
- スペシャリティコーヒー(味の良さ優先)5~10%
- プレミアムコーヒー (名前・イメージが優先)15~20%
- コモディティコーヒー (価格優先)80%
- 規格以下のコーヒー (工業製品や生産国国内消費用)
上2つがうちもそうですが、コーヒー専門店などが取り扱う豆。スペシャリティーしか扱わないお店もありますね。
スペシャリティコーヒーは農園やどの区画で栽培され、いつ収穫されたのかなど、ルートを辿ることができます。もちろん品質は最高級。環境、栽培、収穫、精製、そして出荷の仕方まで、手間も品質管理も非常にコストを掛けており当然価格も高い。
プレミアムコーヒーは、生産国それぞれで決まっている規格(等級)があり、それがハイクラスなもの。あとはネームバリュー(キリマンジャロとかモカとか)やストーリーなどがあるコーヒー(ルワンダのジェノサイドなど有名)ですね。価格もスペシャリティほどではありませんが、しっかり金額かかります。
コモディティコーヒーは、スーパーで安く売られているものなど、「一般的なコーヒー味が出る豆」。コーヒーの味がする低価格なものと私はとらえています。
規格以下のコーヒーはインスタントコーヒーや、缶コーヒーに使われます。
最近では高い缶コーヒーも出てきていますが、、、あれは何の豆かはよくわかりません。
これを踏まえるとなんとなく、100円のコーヒーはどの分類の豆なのか、想像がつきます。
多分私はコモディティコーヒーの豆は見たことないと思います。
しかし、先述した生産国の情勢悪化により「なんだ、この豆」と思うものが仕入れ先のコーヒー豆リストに加わったことがあり、驚きました。
昨年エチオピアは非常事態宣言が出て、エチオピアのコーヒー豆が出なくなるという事態がありました。当然価格高騰。
エチオピアの豆はうちでも取り扱い、私自身がすごく好きなコーヒーなのです。
通常エチオピアの規格はG1かG2なのですが「G4」というのが出てきました。
価格もG1やG2に比べると遥かに安いのですが、それでも値上がり後の金額だろうというのはわかります。興味本位で仕入れてみました
が
やはりグレードが低いだけあり、豆の色も大きさもバラバラ、欠点豆も多い。焼いてみたけれどハンドピックと言って欠点豆を取り除く作業があるのですが、お客様に出すための状態にするにはかなりの量をはじきましたし非常に手間がかかりました。
そのまま飲むとしたら、ハッキリ言えば不味くはないけど味も香りもざっくりしてます。
確かに「モカ」と言っても間違いではない。
味や香りの精度を上げたいならば、ハンドピックが必要ですが
ハンドピックをすると、豆の量は当然減るわけです。
そんなわけで非常事態宣言が出る前、G4はどこにいくらで売られる予定だったのか。
しかしその事態になれば、G4でさえも欲しがる店や会社が出てくるだろうし、従来の価格より上げても売れるなら。
なんて、凄くいやーな気分になりました。
実際にそれくらい規格の低い豆は他の国だってあるし
「コーヒーの味」という大味が出る豆というのはいくらでもあるのです。
以上が原価の違い。実体験と予想で書いてみましたが
長くなってきたのでそろそろ終わりにします。
次の項目はまた別日に書こうと思います。
「コンビニコーヒー1杯100円には敵わない!何が違うのかコーヒー屋が考える。」への1件のフィードバック